悩む力 (集英社新書 444C)姜尚中 ¥ 714 通常3〜5週間以内に発送 ★★★★ |
悩む力 (集英社新書 44... | |
| 本書に働くことについて書いてある章がある。 著者は「金があっても人は働く」というようなことを言っているが、それはあまり一般的ではない。 著者のように、知的・創造的な仕事をしている人には仕事は面白いものなのだろうし、社会的承認も得られるのだろうが、 世の中には誰がやっても面白くないという職業についている人もいて、そういう人にとっては働くことは苦行でしかなく、生きるために仕方なくやる手段である。血肉になる読書を目指す人にとっては、がっかりする結果になるでしょう。タイトルと内容は、羊頭狗肉の関係で、悩む力とは何か、いかにすれば得られるかという観点において、独創的なものはありません。悩みに徹すればいずれ開けるということを、一冊かけて説明しようとしたんでしょうか。「相互承認」が一つのキーワードになっています。著者のことは薄ぼんやりとしか知りませんでしたが、他者から認められることにこれほど重きを置いていることは、意外でもあり、がっかりでもありました。うーん、結局何がいいたいのか、読み終わってから悶々としています。 つまり「悩んで」います。 本書を読んで、悩むことで、「悩む力」を鍛えろというこ... | ||
学問のすすめ (まんがで読破)福沢諭吉 ¥ 580 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
学問のすすめ (まんがで読... | |
| この文庫本を本屋で見、買わなかったら? 福沢諭吉という人物、そして彼が書いたベストセラー『学問のすすめ』を 知らないでいたかもしれない。 今の時代において 見失っているなにものかを短時間に知ることができる。 まんがの威力はすごい。壱万円札から登場する福沢諭吉。面白い。 明治維新、その後の時代を 引っ張っていった男、福沢諭吉のお話しが とにかくわかる。 神は時代に生きる人を選ぶ。選民としての福沢諭吉。 彼の 主張も入門編として納得すれば よくぞわかりやすく伝えてくれたと感謝。 ここから、福沢諭吉とその時代、その後の時代をかんがえるチャンスを与えられたのだ。 出版元 イースト・プレスの試みは成功するのだろうか。これも楽しみ。148ページ〜186ページ までは「学問のすすめ」のことが書かれています。 約40ページです。 147ページまでは、生い立ちから始まり、蘭学を始めたことや江戸になぜ出てきたのかが書かれています。 正直に言うと学問のすすめのページはいわゆる自己啓発系の内容で「勉強しましょう」「体を鍛えましょう」といった内容です。 おじいちゃんの話を聞いている感じがしま... | ||
新訂 福翁自伝 (岩波文庫)福沢諭吉 富田正文 ¥ 798 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
新訂 福翁自伝 (岩波文庫) | |
| いわずとしれた福沢諭吉翁の自伝。大学時代には何かこう敬遠して読めなかったが、社会人生活も長くなりふと手に取ったところ、ようやく完読を実現し、「宿題」を終えたような気分。それにしても、このからっとした爽やな読後感はどうだ。この一書から学ぶべき第一は、何物にも囚われない自主自立の精神の大切さであろう。私も幕末から明治時代に生まれて、彼のように自由に生きたかった。若い人には是非読んでもらいたい。一つの人生で二つの時代を生きた「良識の大家」福沢諭吉の精神の平衡力に脱帽。内容が痛快、読んでいて素直に楽しい本でもあります。一万円札になった理由は・・・本人が知ったら悲しみますよね。" 50歳になって初めて読んでいては悔しいばかりなのですが、それでもとても役に立ちました。理屈っぽいところもありますが、応酬話法の基本を感じさせてくれる喋り方は面白かったです。大変な時期に重要な助言を与え続けてきた立場の人なのですが、とても身近な印象を抱かせる普通のお酒大好きオジサンだったのが判りました。小学生高学年からでも読んでもらいたい本ですね。私の頃には野口英世やエジソンでしたけれどねぇ。誰もこの本を薦めてくれな... | ||
学問のすすめ (岩波文庫)福沢諭吉 ¥ 588 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
学問のすすめ (岩波文庫) | |
| 読書の目的: 小林秀雄著「考えるヒント」などにたびたび出てくる"福沢諭吉"。至近で、日本円の札面を一新したときも、変わらず肖像であり続けた"福沢諭吉"、その実像に迫りたかった。 読後感、感想: 檄文。震えました。しかし、まだ消化し切れていない。 意訳された文章ではなく、原文で読んでほしい言です。文章の意味だけではなく、語感、語調、行間を含め、文章全体から発せられるメッセージを、体全体で感じてほしい。 自分が日本人であると、改めて体感したことがある人は、是非、読んでみてください。逆に、自分が日本人であると、改めて体感したことがない方は、あまり、ピンとこないかもしれません。(感覚的なコメントですみませんが...)今から100年以上も前に、これだけ幅広い見識を持っていた日本人はそういなかったでしょう。文句なしに読む価値のある本です。最近、就活で経営者の話を聞く機会が度々ありますが、福沢諭吉の影響を受けている方が多いように思います。 福沢諭吉が生きていた頃は明治維新のまっただ中で、欧米に追いつこうとするために身分に関係なく学問を重視してこの国を強くしようとした時代です。福沢諭吉... | ||
武士道 (岩波文庫)新渡戸稲造 ¥ 483 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
武士道 (岩波文庫) | |
| 新渡戸稲造の武士道は英文で書かれたものですが、この本では、左側に須知徳平の日本語訳、右側に原文が見開きになっており、比較が容易です。英語は文語が使われているため辞書なしでは読めません。日本語訳は著者が出典を触れていないものも訳注を加えた上で、和歌なら日本語の原文をそのまま載せるなどしており、丁寧な訳です。著者は、武士道は深遠な哲学に欠ける(よりどころとなる経典がない)と繰り返し述べられていますが、孟子・孔子・大学・中庸からの引用がもっとも多く、義・礼の思想をはじめとして、儒教の高い基盤があっての武士道であることがわかります。シェイクスピア、ギリシャ神話、聖書、エマーソン、ニーチェらと対照して、武士道がこれらのいずれにも劣らないレベルにあることが随所に書かれています(キリスト教徒の武士道と一部で言われているのはあたらないと思われます)。しかし、単なる儒教思想の拝借ではなく、それを超えた人の誇りが書かれており、特に、以下の金言は現代人に生きる勇気を与えてくれるものである。“真の武士にとっては、死に急ぎをしたり、死におもねたりすることは、卑怯なことだとされていた”“生が死より恐ろしい場合に... | ||
武士道 (PHP文庫)新渡戸稲造 ¥ 520 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
武士道 (PHP文庫) | |
| 日本は鎌倉時代から江戸時代の大変長期にわたり、一時期を除いて武家が支配する国であった。そして、武士道はその根幹を支えた思想である。ところが、武士道というのは、それそのものが聖書のような経典によって書かれて受け継がれてきたものではない。孔子の教えなども武士道の一部であって、すべてではない。しかも、当時の人たちはもうこの世にはいない。よって、武士道を知らない人がそれを知ろうとすれば、一般的には、「忠臣蔵」などの物語や史実をたどることによって断片的に理解を重ねてゆくか、あとは本書を読むのが手っ取り早い方法ということになる。 本書は、下級武士の家に生まれて海外で活躍した新渡戸が、日本についてあまり知識のない外国人向けに武士道について説明するために元々書いた本である。そのため、皮肉なことに昔の日本のことをよく知らない現代に生きる日本人向けのガイドとしても適した一冊となった。よって、難しそうな本だとしり込みする必要はない。訳も、今を生きる日本人向けにやさしく書いてある。 思想として共感する/しないは個人の問題だが、せっかく長い歴史を持つこの国に生まれたのだから、この国を長期にわたって支えてい... | ||
遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)柳田国男 ¥ 500 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
遠野物語―付・遠野物語拾遺... | |
| 遠野物語と遠野物語拾遺を合わせて299話の短編集、一話平均約400字。 遠野物語は、民間信仰、栄枯盛衰、山中での出来事、妖怪、動物、行事、昔話など素朴な話が集められている。みな懐かしい感じがし、お伽やグリム童話といった説話のような説教じみた堅苦しさはない。話からは間接的に当時の人々の考え方や習俗、道徳観が伝わってくる。古今の文化の変化を考えると興味深い。民俗学の重要な史料となっている事も頷ける。 拾遺は題名のごとく残りの雑多なものという感じである。たとえば、当時(明治から昭和初期)の流説も混じっているようである。今で言う「口裂け女」「ターボじじい・ジャンピングばばあ」「こっくりさん」のようなもの。これはこれで当時の風俗を垣間見たようで面白い。あるいは、「先祖伝来の、開けると目がつぶれる箱、なるものを今の代の主人がどうしても見たくて開けたら、布が入っていただけだった。」という話では、近代化に伴い、未知に対する畏怖の消失が現れている様で興味深い。 1909年(明治42年)から1910年にかけて、当時30代半ばの柳田国男氏が、奥州は遠野の人・佐々木鏡石氏(当時24〜25歳)から聞... | ||
古事記 (学研M文庫)梅原猛 ¥ 546 通常3〜5週間以内に発送 ★★★★★ |
古事記 (学研M文庫) | |
| 実家が宮崎にあるので『古事記』を選びましたが、よく理解できてよいかもしれません。 『古事記』の歴史的評価はさておき、単純に物語として楽しめる一冊だと思いました。 梅原猛氏による「古事記」の現代語訳です。本居宣長でも「分からない」とした処は、本邦初アイヌ語を参照して解決の意欲作。単純に小説として面白いし、自国の神話を知って於くにも好い。古代史として読むなら訳者による解説がシャープな手掛かりを与えてくれます。 様々な現代語訳を読んできましたが、ここが到達点かもしれないと思えます。 国語学系のものは原典の用語用法に忠実であるあまり(語注にこだわりすぎ)、理解を助けるに不親切で、結局は別の解釈本が必要となります。 国文学系のものは、物語性や文学性(和歌など)に重点を置くために、状況のディテールなどに緻密さが欠け、あらためて原典にあたらなければなりません。 歴史学系は、訳者の思想性が強すぎて、意訳に近くなっています(とくに左翼系)。 文学系は(小説家や詩人)、まあほとんど創作ですね。 ──ということで、本書はこれまでの欠陥を補っているとともに、解釈の集大成ともなっています。他の訳書に寄り... | ||
学問のすゝめ―人は、学び続けなければならない福沢諭吉 ¥ 1,365 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
学問のすゝめ―人は、学び続... | |
| 原文は当時としては簡単な読みやすい方に属する書物らしいのだが、現代人にはちょっと敷居が高い。したがって、現代語訳は大助かりである。これなら、すごく読みやすい。考えてみれば当然だが、慶応出身の教授による現代語訳である。 しかし、けっこう強烈な内容の本だ。明治維新を駆け抜けた俊才の迫力が伝わってくる。はっきりいって、「ドラゴン桜」の桜木より凄い。超アグレッシブで、硬派で、快活で、そしてシンプルに、時代を超えて読者の向上心とハングリー精神をあおっている。すっかりものわかりがよくなった今の大人たちにはなかなか見られないエネルギーが伝わってくる。 骨子はシンプルだ。人間は元々皆同じように何も知らずに生まれてくるのであって、その後にちゃんと勉強するかどうかで差がつくのだ、だから勉強しなさい。そして、どうせ勉強するなら、和歌とかよりも、物理や経済や工学などの役に立つ学問、「実学」の勉強に力を注ぎなさい、という。そして、何より、なぜ勉強しなければいけないかを、幅広い視点から、素人にもわかりやすく説く。そう、この「なぜ」について、広い視野で、説得力ある言葉で語れる人が、現代の教育の現場には少ないの... | ||
世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言石川佐智子 ¥ 1,890 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
世界に誇る日本の道徳力―心... | |
| 二宮金次郎を見直して、金次郎に学ぼう!尊徳に学ぼう! 今こそ、世界に誇れる日本の民主主義の祖である尊徳の実践哲学、 その残された名言をあらためて見つめ味わおう! キーワードは報徳、心田開発、至誠、分度、推譲、勤労、積小為大、 一円融合。 これらのキーワードの意味を知るだけでも実践哲学が身につくのではないか? 結論はこれだと思う。 :天地自然の経文から学べ! 不書の経、すなわち「もの言わずして四時めぐり、百物なる」ところ の経文に引き当ててみて、まちがいのないものを採り、まちがってい るものは採らない。 尊徳さんを、真に知り、その偉大さは本物で、素晴らしいと解った。 | ||
風土―人間学的考察 (岩波文庫)和辻哲郎 ¥ 735 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
風土―人間学的考察 (岩波... | |
| 和辻は「寒さ」の現象を考察してこのようにいう。 「我々は寒さを感ずる前に寒気というごときものの独立の有をいかにして知るのであろうか。それは不可能である。我々は寒さを感ずることにおいて寒気を見いだすのである。しかもその寒気が外にあって我々に迫り来ると考えるのは、志向的関係についての誤解にほかならない。」 「寒さ」を感じることにおいて「寒気」を見いだすという。これは逆に言うこともできる。「寒気」を見いだすことにおいて、「寒さ」を感じる、と。このことは、天気予報を考えれば、このことも事実であることに気づく。それは、寒気がわれわれに接近することを告げる。この場合は、寒気というものが独立に存在しているのである。したがって、志向関係はどうでもよいことになる。わざわざ志向関係を述べる必要はない。 モンスーン、沙漠、牧場と3種類の風土を湿度の点からまとめ上げている。その論理、切り口は鋭く、舌を巻く。完全に湿度を絶対的な基準として風土を規定しているのだ。その後でモンスーン的風土について詳しく語り、そこから更に、東西の芸術について風土の点から説明を展開する。 章の始めにまずそこで焦点となる単語の説明... | ||
妖怪談義 (講談社学術文庫 135)柳田國男 ¥ 882 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
妖怪談義 (講談社学術文庫... | |
| 柳田国男が妖怪について書いた文章を集めたもの。初版の発行は昭和31年だが、書かれたのは明治42年〜昭和14年くらい。 妖怪と幽霊の差、お化けの呼び名、河童、山人、一つ目、天狗などが取り上げられている。いずれも民俗学の視点から妖怪を分析したもので、焦点となっているのは妖怪を産み出すような人間の心性と、地域による偏差の問題である。なおかつ、研究途上で書かれたものが多いので、妖怪ファンの人には向かない一冊かも知れない。 柳田の民俗学が組み立てられていく過程をのぞき込むこととができ、なかなか面白かった。日本の思想史に興味があって、素人の気安さで、ここ数年いろいろと拾い読みをしている。 柳田國男、宮本常一、網野善彦らに代表される民俗系の歴史学は、正史すなわち為政者が編纂した政治史からは読み取れない、信長でも秀吉でも家康でもない、何の変哲もない日常を生きたごく普通の昔の日本人を浮き彫りにする。 本書は書き下ろしではなく、明治の終わりから昭和初年ごろに書かれた、妖怪伝承に関する多数の短い論文を編んだものである。河童、座敷わらし、やまんば、天狗など代表的な日本の妖怪について全国から収拾した伝... | ||
[現代語抄訳]言志四録佐藤一斎 ¥ 1,260 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
[現代語抄訳]言志四録 | |
| 西郷隆盛の伝記や西郷南洲遺訓を読みすすめていたとき、この書の存在を知った。一言で言うと「ただただ素晴らしい」 口先だけの偽の師ではなく、自ら実践していた真の師に感服。 なかなか日常で守れない教えばかりだが、やっぱりできることから守っていかないといけない。温暖化対策にも似た気持ちかな。本書は、佐藤一斎の言志四録から抜粋して、現代語訳をつけたものです。 訳もわかりやすく、初めて言志四録に触れる人にも、とっつきやすいす。 心の芯を打たれるような言葉があふれていて、読後感がいいのはもちろんのこと 心の姿勢を正したくなる、喝を入れたい時に読み返したいものだ。 この本で興味を持ったら、 文語でしっかり読み込み、全条読んで、佐藤一斎を感じましょう。 佐藤一斎(さとう・いっさい)の弟子に佐久間象山がいて、孫弟子に 吉田松陰がいる、というポジションの人。 一時、月刊プレジデントやPHP(松下電器の社長訓の流れ)あたりで さかんに取り上げられた、老子・朱子学・陽明学の教義書であります。 本書はその現代語訳を大書し、原文を小さく併記したもので、読みやすく 親切なガイドブックであります。 暗い夜道にぶら... | ||
日本の思想 (岩波新書)丸山真男 丸山眞男 ¥ 735 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
日本の思想 (岩波新書) | |
| 既に多くのレビューが書かれているので、ここでは2点だけ雑感めいたことを。 1点目は、昔の新書は難しかったのだなぁということ。最近の新書はすっかり雑誌化していて、平易な反面で内容の薄いものが大半だが、本書、特に第1章と第2章は、その抽象度の高さと論理展開の複雑さという点で、手加減無しに難解である。一読了解できる人がいるとすれば、相当頭のいい人に違いない(私には到底ムリ)。1961年の初版以来、80刷を超えるロングセラーとなった本書だが、読者のうち少なくない部分は、実は第3章と第4の講演部分しか理解していないのではないかという疑いを抱かずにはいられない。 2点目は、丸山真男の釣り師性ということ。「あとがき」に書いてあるが、本書第1章の一部記述は、当時の文学者の神経をひどく刺激したらしい。というのも、(おそらくは東大を念頭に置いて)文学部出身者の法学部出身者(典型的には官僚)への劣等感が、日本文学の「抽象的・概念的なものへの生理的嫌悪」を生んでいると論じたからである。本書に限らず、丸山の著書には他人のコンプレックスを逆撫でするような記述が最低一箇所は含まれている。洞察力鋭敏な丸山が気付... | ||
後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)内村鑑三 ¥ 525 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
後世への最大遺物・デンマル... | |
| ●後世への最大遺物 内村鑑三先生が、若者向けに 「何を後世に残すか? 金?事業?思想?」 を講演した講演録。 途中、恩師のクラーク先生(「少年を大志をいだけ」の)のくだりが出てきておもしろい。 ーーーーーーーーーーーーーー クラーク先生を第一等の植物学者だと思っておりました。 <中略> ある学者が、クラークが植物学について口を利くなどとは不思議だと笑っておりました。 <中略> とにかく先生は非常な力を持っておった人でした。 どういう力かといいうと、すなわち植物学を青年の頭につぎ込んで植物学という学問のInterrestを起こす力をった人でありました。 ーーーーーーーーーーーーーー ●デンマルク国の話 狭い国土をドイツとの戦争に敗れて、3割方失ってしまったデンマルク国、残されたものは荒れ果てた北海道の半分くらいの土地だけ、その国が何によって、世界に胸を張れる大国になったか? 一人の敗軍の兵士ダルガスが、 「外に失いしものを内において取りかえさん。我らの世代であの荒野をバラの花のさく豊かな土地にするのだ。」と叫び、祖国復活の掛けに出たのです。 哲学者... | ||
隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)梅原猛 ¥ 820 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
隠された十字架―法隆寺論 ... | |
| 1972年に書かれた法隆寺論です。中盤の多くのページを「謎の解決への手がかり」として割いて、藤原氏がいかに勢力を伸ばしていったかという事、そしてその礎となり権力抗争に敗れ去った人たち。有名な古典を始め、現存する資料や寺社仏閣、仏像、建築その他様々な事物から非常に緻密になされます。この考証が甘いとトンデモ本の類に転がりかねないので微妙なバランスで踏みとどまっています。古代の権力抗争、政治の裏側みたいな物はいつの時代でも人々の興味の的ですから本書の面白さの基になっている。ただ、思わず全面的に信用しそうになりますが、これはこう思う、いやそうに違いない、と言った感じの論調も多く、始めに結果ありき、いやここでは梅原氏の信念ありきで、悪く言うとどうとでも解釈出来る事を無理矢理に都合よくこじつけているとも取れる。これは程度の問題もあり、全てが全てそうだとも言い切れないので読者の裁量次第ですね。ただ作者本人も書いている様に細かな間違いは将来見つけられるかもしれないが、その様な重箱の隅を突く様な批難では無く、全体的に見ろと言う意味の事を言っている。これには確かに賛成出来る。そして古代の物事を現代人の常... | ||
日本の昔話 (新潮文庫)柳田国男 ¥ 380 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
日本の昔話 (新潮文庫) | |
| やはり「まんが日本昔ばなし」を毎週見ていた私のような世代には、どれも聞いたことのあるようなお話で、楽しめました! 昔話というか、笑い話のようなお話も含め、1ページにも満たないようなお話がたくさん入っています。 なので、手軽に、気軽に、さくっと読めます。 もちろん難しいお話はほとんどありませんので、小学生の方々にも読みやすいのではないでしょうか?「桃太郎」や「金太郎」ほどのビッグネームではないが、それでも誰もが一度は聞いた事のある昔話というのはあるだろう。 例えば「猿の尻尾はなぜ短い」とか、「くらげ骨なし」とかいった昔話だ。この本はそういった短編の昔話を沢山集めた一冊だ。 この本に登場する昔話は殆どが1ページ以内で終了するものばかりである。数ページをまたぐものは少ない。だから読みやすいのである。読みやすいので読書の苦手な人にも読めるだろう。そう思いながら読んでいると、かつて子供の頃に読んでいた頃の記憶を掘り返すかのようであった。それはあの頃に読んだものの復習をするようなものであろう。いわゆる「物語好き」な人にとっては少々物足りなく感じるかも知れません。 なぜならば、柳田版の拾遺集であり... | ||
猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)水木しげる ¥ 693 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
猫楠―南方熊楠の生涯 (角... | |
| 南方熊楠の生涯が描かれていますが、八面六臂の 活躍ぶりや奔放さが水木しげるの妖怪の世界と 非常に適合するためか、本当にあった事と創作とが 分かちがたく編まれています。 熊楠の生涯と業績をもっと知りたくなる、 非常に面白い漫画です。水木しげるの描く人物伝シリーズの一つで長編に類する。自然科学者でありながら学歴がないばかりに国内では無名、しかし海外では「ネイチャー」誌に論文が載ったりして有名で、戦前、やはり自然科学者であられた昭和天皇のお耳に入り御進講をするというクライマックスが訪れる。 人生の大半を実家からの仕送りで生活し、好きな粘菌研究や神社合祀令に反対する運動などを行ってきた。晩年は弟と不仲になり絶縁状態、長男の発狂など決して明るいことばかりではなかったが、家の中では真っ裸で好きなことに熱中できたのは幸せだったろう。しかし、家族はたまらんかったろうなぁ〜。〜奇才、大巨人などと呼ばれる在野の大学者、熊楠。しかし、彼のなんと破天荒であったことか。中央のアカデミズムから自由であり、闊達な研究を進め、奔放に暮らす。「粘菌の中に輪廻転生を見る」という日常が、熊楠の根幹を成しているのでしょう。... | ||
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)九鬼周造 ¥ 588 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
「いき」の構造 他二篇 (... | |
| 本書を斜め読みして、「男はつらいよ」の寅さんを連想した。 マドンナにすぐ恋をして、江戸っ子のかっこよさにこだわり、すぐに恋をあきらめてしまう。媚態と意気と諦めの「いき」そのものといっていいかも。茶色の背広(縦縞ではないが)と青色のダボシャツも「いき」な色だ。 日本人の心に「いき」への憧れは根付いていることにあらためて気づいた。 「いき」のキーワードは「媚態」「意気地」「諦め」の3。 異性に対しての「媚態」を基調とし、 武士道の理想主義の表れである「意気地」、 仏教の非現実性としての「諦め」を内包したものが、 「いき」という概念であり、日本人特有の意識現象である。 著者の「いき」に対する考察力に気迫すら感じたこの本。 「いき」の要素を六面体にして表したところなど、 発想の仕方がすごい! ここまで踏み込んでものごとを考えられる著者の勇敢さ、 鋭さに驚いた。ぜひ参考にしたい。 面白いです。最初のページを読み出した瞬間から九鬼氏の言葉が驚くほどするすると脳に入っていく、こういう快感を最後に味わったのはいつだろうか?うーんちょっと興味は有るけど、なんかむずかしそー。と思ってるそこ... | ||
文明論之概略 (岩波文庫)福沢諭吉 松沢弘陽 ¥ 840 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
文明論之概略 (岩波文庫) | |
| 福沢の文明の定義はギゾーの文明論を下敷きにして成立している。文明は相対的であるが、それは野蛮あるいは非文明に対するものとして文明を考える点で構造的であると子安はいう。野蛮や非文明がなければ、文明もない。これがギゾーと共有する文明の定義である。また、家族は市民社会と対立し、家族は否定的前提として市民社会に対立する自然的結合体である。家族から国家へという人倫体の展開過程として捉えられる和辻倫理学とも違う。 文明は文明的な社会であり、国家である。それはつねに野蛮や未開、非文明と対置される文明である。ここで言われている非文明、反文明はなによりもまず東洋の文明である。西洋文明の成立は後進アジアとともにはじまる。だからその叙述も東洋をもってはじまる。その東洋とは、インドであり、中国であった。 読みやすく工夫されたようですが、読みにくかったです。たぶん、自分が慣れてないと思いま。全体を通して、時代の変化を感じつつ、その中を抗うことなく、古くの文化を、再考し、新しい文化を筆者自身の感じたことを書かれており、その中で、決してぶれない目線は、読んだ人間を感銘させる。西洋文化が押し寄せ、制度を変えるととも... | ||